「フライングカラー」:驚異のスタンプ群とグラデーションお絵かきソフト

Macintosh回顧録第二弾。今回はこのご時世に検索しても一向に引っかかる気配がなかったお絵かきソフトです。

フライングカラー(原題: Flying Colors)

いやカラーなのかカラーズなのかはっきりしてって思うんですけど今回はディレクトリ名に揃えたいと思います。非常に個性的なアイコンです。(おそらく)羽根の生えたプリズムが光の分散を引き起こしている様子をアイコンにしています。扱える色の数がすごいみたいなところもあるのかもですが、子供わからないよ…(実際の分散と比較すると中間が赤になるのも若干怪しいみたいな突っ込みはおいておくとして)

その前に、お絵かきソフトといえばKit Pix

フライングカラーの話をする前に、Kit Pixについて少し。

Macintoshお絵かきソフトといえばKid Pixの印象が強いです。といっても同年代の友人の何人かと昔何で遊んだみたいな話をした時に共通して出てきたがそれだったというだけの話ですが。可愛げのあるスタンプたち、コミカルなエフェクト、そして無駄に選択肢のある全消し方法。リアルな絵を描くのには全く向いていないけれど、描くこと自体をゲームにしてしまうという素敵なツールでしたね。(Kid PixもKit CutsだとかKit Pix Studioとか色々バージョンがあるっぽいのでいずれは触れたい)

ちなみにKit Pix Studioとフライングカラーはほぼ同年代作品です。一年違いくらいでしょうか。

Kit Pix Studioのお絵かきはこんな感じでした。

ドットの編集が可能なので、スタンプを作って拡大させて…みたいな感じです。モノクロ化や拡大縮小などもあるので結構遊べます。幼い頃は適当に塗った画面をエフェクトかけまくってぐちゃぐちゃにするのが大好きでした。どれを選んでも面白い音が鳴って、過程で満足してしまうので、何かを完成させると言うことはほとんどありませんでしたが。

ただの消しゴムだけでもこの数。左四つ以外は全て全部消すもので、演出が若干違います。モーセよろしく左右に割れたり、ダイナマイトしたり、薄くなっていったり…モーションの途中で停止させることができるので、これも絵を作る上での効果として利用することもできました。

グラデーションなしのベタ塗りで統一された画面とスタンプ、楽しい効果、それがKid Pixの面白さです。

そしてこういう言葉遣い。子供が一人で遊べるように、極力平易な言葉を使っていましたね。

そして、同時期に同じ子供向けお絵かきソフトとして登場しながら、Kit Pixとは真逆のスタンスを取っているソフトがありました。それが今回ネタにするフライングカラーになるわけです。

突然の選択、決められる表現内容、動く背景

フライングカラーは、起動早々この画面から始まります。いきなりの選択。白か、プリセットの背景か。「画用紙を選んでください」というお子様お断り感MAXのお絵かきソフトです。初手からKid Pixと差をつけていきます。

絵は林、海、謎の神殿と洞窟、道路、宇宙、湖、山、砂漠と当時の自分にはほとんど馴染みのないものばかりで困惑したのを覚えています。絵を描きたいだけなのに、初めからいきなり方向性を決めさせられる感じもかなり独特です。

湖を選択すると、いきなりスタート。ちなみにこれは静止画ですが、下のスタンプの半分くらいは色が変化するものになってます。光るスタンプです。スタンプごとに色の変化の流れも変化速度も異なっていて、かなり気合が入ってます。背景も湖面が揺れてるんです。お絵かきってなんだ…。

しかも恐ろしいことに、色ぬりや線入力時に使う色も、かなりの幅を持つ上に色の変化ありなんですよね。しかも同じ変化でもタイミング違いがいくつも…。そこまでする意味ある…?

スタンプのサイズや角度、分散度みたいなのも調節が可能。かなり本格的に絵が描けるようで、正直子供向けかと疑いたくもありますが、後ろで鳴ってる効果音は完全に子供向け…。

さらにKid Pixと同じく。

全削除に異常なバリエーションが存在。効果音も途中で郭公が鳴くやら何やらで演出は完全に子供向け。

そしてさらに、

何に使うのかわからないスタンプの数々…。

フライングカラーはスタンプに異常な情熱を傾けており

岩だけで何種類作ってるんだよってくらい作っています。

その数はどれくらいかというと、目次を開いたらカテゴリを始めに選ぶところから始まるあれであり、

庭園シリーズだけでこれくらいあります。このクオリティがカテゴリの数だけあるんですよね。本当にお絵かきソフトなのか。

人や動物ももちろん用意されますが、シュールさが…。

絵を描くのには向いていない

もちろんお絵かきソフト用にペンと塗りつぶし、図形描画機能はありますが、正直なところそこまでお絵かき自体には向いているソフトではありません。塗りつぶしに関してはプリセット背景を利用していると全く役に立たないですし、描いた絵に対して何か効果がつけられるわけでもありません。グラデーションをうまく使った絵を作れるほどのガイドも備わってはいませんし。

やっぱりスタンプがすごい

じゃあフライングカラーは何が凄いのかというところですが、圧倒的なスタンプによるごっこ遊び的な使い方ができる点じゃないかなとおもっています。ごっこというか、物語が作れると言うか。半透明処理などがしっかり組み込まれている上に、重ねて使うことが前提になっているスタンプがほとんどなので、それっぽい場面をつくりやすくなっています。

また、単なる光だけのスタンプを散りばめてからその上に水晶玉を置くことで水晶玉が光っているように見えたり、花火のスタンプを押してから湖面にサイズと光り方のタイミングが違う花火を置いて反射を再現してみたり。人を瓶の中に閉じ込めるようにしてみたり…本当に色々できるんですよね。魔法使いの秘密基地も、宇宙に建築物を立てることも、平地にいきなり庭を作ることも、素材は潤沢にあるので、好きなだけ遊ぶことができました。

ちなみにこれは推測ではありますが、スタンプの日本庭園と花火については日本語盤だから追加されてるのでは…って気がします。

ちなみにフライングカラーさんは最後まで子供への配慮ゼロなのでした。

すごくどうでもいいおまけ: Kid Pixでペンタブを使う

BasiliskなのでホストOSにつなげてあげてしまえば単なるマウス入力として扱われるだけなので使えます。マウス描きに対応しているソフトなら、ペンタブもそんなに厳しい感じではないようです。ただ、画面左側は丸ペンで書いたんですけどこっちは認識ひどかったですね。ペンの形状で違うのは知らなかったので驚きました。計算大変そうですもんね、丸って。

生活試行:

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